GUIDE OUTLINE
このガイドは、「ガイド」 に関する基本的な考え方や、順番を整理するためのメモです。細かい 数字の比較というよりも、「まずここから押さえておくと楽」という 目線で構成しています。
「溝がある」=「雪道で止まれる」ではない
冬用タイヤへの交換時、あるいはシーズン終わりの履き潰し検討時に、「溝がまだ残っているから今年も(来年も)いけるだろう」と判断するのは非常に危険です。
スタッドレスタイヤの寿命を判断するには、次の2つのポイントを見る必要があります。
1. プラットホーム(溝の深さ) 2. ゴムの硬度(経年劣化)
1. 「スリップサイン」と「プラットホーム」の違い
夏タイヤと同様に、スタッドレスにも「スリップサイン」がありますが、これとは別に冬用タイヤ特有の限界線「プラットホーム」が存在します。
スリップサイン(残り溝1.6mm)
- 意味: 法律上の使用限界。
- 露出すると: 整備不良で車検に通らず、道路交通法違反になります。タイヤとして機能しません。
プラットホーム(残り溝50%)
- 意味: スタッドレスタイヤとしての性能限界。
- 露出すると: 雪道や凍結路面で「止まる・曲がる」性能が著しく低下します。夏タイヤとしては使えますが、冬タイヤとしては寿命です。
【確認方法】 タイヤ側面の矢印マークを確認してください。通常の三角マーク(△)がスリップサイン、矢印の中に段差があるようなマークがプラットホームの位置を示しています。
2. ゴムは鮮度が命!「製造年週」の確認方法
溝がたっぷり残っていても、ゴムがカチカチに硬化していれば氷の上では滑ります。一般的にスタッドレスの寿命は「3年〜5年」と言われています。
タイヤ側面の4桁の数字(セリアルナンバー)を見ることで、いつ作られたかが分かります。
> 例:「3423」 と刻印されている場合 > - 34週目(8月下旬頃) > - 23年(2023年)
つまり「2023年の8月頃に製造されたタイヤ」と読み解けます。これが5年以上前であれば、溝があっても交換を検討すべきタイミングです。
3. 寿命を縮めるNGな保管方法
来シーズンも性能を維持するために、保管方法も重要です。
- 直射日光(紫外線)を避ける: ゴム劣化の最大の敵です。遮光カバーをかけましょう。
- 雨ざらしを避ける: ホイールの腐食やタイヤ内部への水分侵入を防ぎます。
- 空気圧を半分程度抜く: パンパンに入ったままだと、常にタイヤに負荷(張力)がかかり続け、ひび割れの原因になります。
まとめ
- プラットホームが出たら、冬用タイヤとしては終了。
- 製造から5年経過していたら、ゴムの硬さをプロにチェックしてもらう。
「もったいない」と無理して使い続けると、事故のリスクが高まるだけでなく、万が一の際の修理費が高くつきます。早めの判断で安全な冬のドライブを。