「資産としてのフェラーリ」と「乗って楽しむフェラーリ」。

フェラーリの話題になると、「値上がりするのか」「資産になるのか」という視点が必ずと言っていいほど出てきます。250GTO や F40、ラ フェラーリ のようなモデルは、実際にコレクターズアイテムとして非常に高い価値を持っていますが、それだけがフェラーリの楽しみ方ではありません。
「資産としてのフェラーリ」は、希少性や履歴、状態の良さが価値の大きな部分を占めます。生産台数が少ない限定車や、レースヒストリーを持つ個体、オリジナル度の高いクラシックモデルなどは、時間とともに価値が上がる可能性があります。その一方で、走行距離を伸ばすことや改造が価値を下げる要因になることも多く、「ガレージで眺める時間」が中心になりがちです。
一方、「乗って楽しむフェラーリ」は、ローマ や プロサングエ、現代のV8ミドシップモデルのように、「人生の中で今この瞬間を豊かにする」ことに重心を置いた選択です。資産性はもちろん無視できませんが、「適切なメンテナンスをしながら、きちんと走らせてコンディションを保つ」こと自体が価値につながると考えるスタンスです。
どちらが正しいという話ではなく、「自分はフェラーリにどんな役割を求めているのか」をはっきりさせることが大切です。投資の対象として向き合うのか、人生の時間を彩る相棒として向き合うのか。あるいは、その中間を狙うのか。フェラーリの20台を見比べながら、自分にとってちょうどいい距離感を考えてみると、クルマ選びが少し立体的に見えてきます。