フェラーリとSUV?プロサングエが意味するもの。

「フェラーリがSUVを作るなんて考えられない」と言われていた時代から、一歩踏み込んだ答えとして登場したのが プロサングエ です。ブランド初のSUV的パッケージでありながら、V12エンジンを積んだ4シーターとしてデビューしたこのモデルには、フェラーリなりの明確なメッセージが込められています。
ひとつは、世界的なSUV需要の高まりへの対応です。多くの高級ブランドがSUVをラインナップに加える中で、「家族や友人と一緒にブランド体験を共有したい」というニーズは無視できないものになりました。ただしフェラーリは、「単なるSUV」を作るのではなく、「どこまでもフェラーリらしいSUV」を目指しました。
その象徴が、自然吸気V12の採用です。効率やスペースだけを考えれば、もっとコンパクトなエンジンやハイブリッドを選ぶ手もあったはずですが、「フェラーリの新しい扉を開くモデルこそ、フラッグシップにふさわしい心臓を与えるべきだ」という判断が透けて見えます。
プロサングエは、ブランドイメージを薄めるどころか、「フェラーリで家族と過ごす」という新しい時間の使い方を提案するモデルです。SUV時代においても、「走りとサウンドで感情を動かすクルマであり続ける」というフェラーリの姿勢が、パッケージの変化を超えて貫かれていることが分かります。