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カーボンモノコックとは?F40/F50/ラ フェラーリの「骨格」。

2025/11/297分で読めます
#カーボンモノコック#シャシー#軽量化#安全性
カーボンモノコックとは?F40/F50/ラ フェラーリの「骨格」。

カーボンモノコック」という言葉は、ハイパーカーやレーシングカーの解説でよく登場します。ざっくり言うと、「車体の骨格そのものをカーボンファイバーで作った構造」のことで、軽さと剛性、安全性を高いレベルで両立できるのが大きな特徴です。

F40 はスチールパイプフレームとカーボンコンポジットを組み合わせた構造でしたが、F50 や ラ フェラーリ では、より本格的なカーボンモノコックが採用されました。カーボンは鉄よりもはるかに軽く、板の厚みや積層方向を工夫することで必要な方向にだけ強度を持たせることができます。その結果、「軽くて硬いシャシー」が実現し、サスペンション本来の動きを引き出しやすくなります。

もうひとつの大きなメリットは安全性です。カーボンモノコックは、クラッシュ時にエネルギーを効率よく吸収するよう設計されており、キャビンを強固に守る役割も持ちます。F1マシンと同じ考え方で作られたシャシーを、ロードカーでも体験できるという意味で、ハイパーカーはまさに「レーシングテクノロジーのショーケース」と言えます。

その反面、補修や修理は非常に難しく、高度な設備と技術が必要になります。小さな変形でも構造的な安全性に影響する可能性があるため、「板金で直す」といった感覚では対応できません。だからこそ、カーボンモノコックを採用したモデルは生産台数も限られ、特別な存在として扱われることが多いのです。

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