ハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)の違い。

フェラーリのラインナップにも「ハイブリッド」や「PHEV(プラグインハイブリッド)」という言葉が登場するようになりました。ラ フェラーリ と SF90ストラダーレ はどちらもエンジン+モーターのクルマですが、その目的と使い方にははっきりした違いがあります。
ラ フェラーリ は、F1で使われていたKERS(運動エネルギー回生システム)をベースにしたハイブリッドを採用しています。ブレーキ時などに回収した電力をバッテリーに蓄え、加速時にモーターで一気に放出することで、「V12エンジンの加速をさらにブーストする」という考え方です。あくまで主役はエンジンであり、モーターはそれを補助する“アシスト役”という位置づけになっています。
一方の SF90ストラダーレ は、外部充電が可能なPHEVです。コンセントや充電器につないでバッテリーを充電し、短い距離であればモーターだけで静かに走ることもできます。エンジンをかけずに市街地を移動し、郊外やサーキットではエンジン+モーターのフルパワーを使う、といった柔軟な使い方ができるのが特徴です。
つまり、ハイブリッドは「主にパフォーマンス向上のための電動化」、PHEVは「日常の使い方にも踏み込んだ電動化」と考えるとイメージしやすくなります。どちらの方式でも、フェラーリは単なる燃費向上ではなく、「フェラーリらしい走りと感情をどう保つか」に重心を置いて技術を投入している点がポイントです。