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エアロダイナミクスとダウンフォース:F40からSF90まで。

2025/11/298分で読めます
#エアロダイナミクス#ダウンフォース#空力#ハイパーカー
エアロダイナミクスとダウンフォース:F40からSF90まで。

ーパーカーの写真を見ると、大きなリアウイングやディフューザー、複雑なフロントスポイラーが目に入ります。これらはまとめて「エアロダイナミクス(空力)」と呼ばれ、走れば走るほどクルマを路面に押し付ける「ダウンフォース」を生み出すための仕掛けです。

F40 のような80年代末〜90年代初頭のスーパーカーは、大きな固定リアウイングとシンプルなボディ形状でダウンフォースを稼いでいました。速度が上がるほどリアに荷重がかかり、高速コーナーでの安定性が増す一方で、空気抵抗も増えるため最高速や燃費には不利になります。

その後の 458イタリア や 488GTB では、ボディに溝や開口部を巧妙に設けることで、見た目はクリーンなまま空力性能を高める手法が増えていきます。アクティブフラップや可変リアスポイラーなどを用いて、「必要なときだけダウンフォースを増やす」「直線では抵抗を減らす」といった、状況に応じた最適化も進みました。

SF90ストラダーレ のような最新ハイパーカーでは、フロントの細かな空気の流れまで制御し、ブレーキ冷却やダウンフォース生成を高い次元で両立させています。見た目の派手さだけでなく、「どこをどう通った空気が、どの部分で力を生んでいるのか」という視点で眺めると、フェラーリのエアロデザインがぐっと面白く感じられるはずです。

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