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フラット12とは?V型エンジンとの構造・特徴の違い。

2025/04/058分で読めます
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フラット12とは?V型エンジンとの構造・特徴の違い。

ェラーリ 512BBやテスタロッサのスペック表には「フラット12」という表記が出てきます。 これはピストンが水平に向かい合うように配置された12気筒エンジンのことで、「180度V12」と呼ばれることもあります。

一般的なV12やV8は、シリンダー列がV字型に開いたレイアウトです。それに対してフラット12は、左右のシリンダーが ほぼ水平に向かい合っているため、エンジン全体の高さを低く抑えられるのが大きな特徴です。 これにより、重心を下げてコーナリング性能を高めたり、ボンネットフードを低くできるといったメリットがあります。

一方で、フラット12はエンジン幅が広くなるため、パッケージングの自由度は下がります。 そのため、512BBやテスタロッサのように、横置きミドシップレイアウトと組み合わせるケースが多くなりました。 独特のメカニカルノイズとフラットなサウンドも、フラット12ならではの魅力です。

V型との違いを整理すると、 ・フラット12:低重心・独特のサウンド/幅広・レイアウトが難しい ・V12:パッケージングの自由度が高い/やや重心は高くなる といったイメージになります。

フェラーリが一時期フラット12を採用していたのは、当時のレースシーンやスーパーカー市場で 「より低く構えたシルエット」と「刺激的なフィーリング」を求められていたからでもあります。 現在は環境規制やパッケージングの制約もあり新規採用は難しくなりましたが、 512BBやテスタロッサは、フラット12という個性的な心臓を持った時代の象徴として、今も強い人気を保ち続けています。

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