ホモロゲーションモデルとは?なぜ250GTOは特別なのか。

フェラーリ 250GTOの説明には必ずといっていいほど「ホモロゲーションモデル」という言葉が出てきます。 ホモロゲーションとは、レースに出場するために必要な「型式認定」のことで、 あるカテゴリーに出るためには、一定台数のロードカーを実際に生産・販売しなければならない、というルールがありました。
たとえばGTレースでは、「公道走行可能なGTカーをベースに戦う」という建前があったため、 メーカーはレースで勝つためのスペックを持つロードカーを、規定台数だけ実際に作る必要がありました。 この「レースのために仕方なく(?)高性能なロードカーを作る」という構図から生まれたのが、ホモロゲーションモデルです。
250GTOは、フェラーリがGTレースで勝つために作り上げたホモロゲーションモデルで、 実態はほぼレーシングカーでありながら、ナンバープレートを付けて公道も走れるという性格を持っていました。 軽量なボディとレーシングチューニングされたV12エンジンを組み合わせ、当時のレースシーンで圧倒的な強さを見せます。
ホモロゲーションモデルが特別視される理由は、 ・レースに勝つために妥協を削ぎ落としたスペック ・しかし形式上は「市販車」であるという希少性 ・生産台数が少なく、現存する個体が限られている といった条件が重なりやすいからです。
現在ではレースとロードカーの距離が離れ、ホモロゲーション規定も時代とともに変化してきましたが、 250GTOのようなクラシックGTは、「レースと市販車が本当に地続きだった時代」の象徴として、 今も世界最高レベルの価格で取引される存在になっています。