GUIDE OUTLINE
このガイドは、「お金・購入計画」 に関する基本的な考え方や、順番を整理するためのメモです。細かい 数字の比較というよりも、「まずここから押さえておくと楽」という 目線で構成しています。
なぜ「3月の決算期」は車が安くなるのか
自動車業界において、3月は1年で最も車が売れる時期であり、ディーラーにとっても「年間の販売目標を達成できるかどうかの正念場」です。
ディーラー側の事情
- メーカーからの報奨金: 年間の販売台数目標を達成すると、メーカーから多額の報奨金が出ます。そのため、利益を削ってでも「あと1台」を売りたい心理が働きます。
- 在庫処分: 4月以降に在庫を持ち越したくないため、即納できる在庫車(登録済み未使用車含む)の条件が良くなりやすい傾向があります。
つまり、「売り手(ディーラー)が売り急いでいる」という、買い手にとって最も有利な状況が生まれるのがこの時期です。
1月・2月から動かないと「決算価格」にならない?
「3月が安いなら、3月にお店に行けばいい」と思うかもしれませんが、これは大きな落とし穴です。
「3月中に登録」が絶対条件
決算セールの値引き条件は、基本的に「3月31日までにナンバー登録(軽自動車は届出)ができること」が条件になります。
- 契約が3月でも、納車(登録)が4月にずれ込むと、決算期の実績にならず、値引き条件が適用されないケースがあります。
- 近年の車は納期が不安定なため、3月に契約しても間に合わない車種が多いです。
理想のスケジュール
- 1月上旬〜中旬: 欲しい車種の候補を絞り、試乗を済ませる。納期の目安を確認する。
- 1月下旬〜2月上旬: 具体的な見積もりを取り、競合車種と比較する。在庫車の有無を確認する。
- 2月中旬〜下旬: 最終交渉を行い、契約を結ぶ。
このスケジュールであれば、メーカー発注が必要な車でもギリギリ間に合う可能性があり、在庫車であれば余裕を持って手続きができます。
決算期に効く!具体的な交渉テクニック
ただ「安くして」と言うだけでは、限界値引きは引き出せません。営業マンが上司に決裁を取りやすくするための「材料」を渡すのがコツです。
1. 「3月登録に協力する」と明言する
営業マンにとって一番の懸念は「書類が揃わず3月登録に間に合わないこと」です。
> 「印鑑証明などの必要書類はすぐに用意できます。3月登録に確実に間に合わせるので、その分、条件を頑張ってもらえませんか?」
この一言で、営業マンはあなたを「優先すべき優良顧客」と認識します。
2. ライバル車と「迷っている」演出をする
決算期は他社にお客を取られるのを一番嫌がります。
> 「実は〇〇(ライバル車)の方も条件が良くて迷っています。ただ、デザインはこちらが好みなので、予算さえ合えばこちらに決めたいのですが…」
と、「あなたから買いたい意志」を見せつつ、価格がネックになっていることを伝えます。
3. 「今日決める」というカードを切る
交渉の最終局面で使う最強のカードです。
> 「総額〇〇万円(または月々〇万円)になるなら、この場で契約して帰ります」
決算期の週末などは営業マンも忙しいため、「持ち帰って検討する客」より「今日決めてくれる客」に時間と値引き枠を使います。
注意点:焦りは禁物
- 不人気色や過剰オプションに注意: 「在庫車なら安くできる」と言われても、色が好みでなかったり、不要なオプションがついている場合は冷静に判断しましょう。
- 下取り車の査定: ディーラーの下取り額だけでなく、買取専門店の査定額も把握しておきましょう。決算値引きが大きくても、下取りが安すぎては意味がありません。
まとめ
決算期は確かに車を安く買うチャンスですが、「時間との勝負」でもあります。
- 3月に入ってからではなく、1月・2月から動き出す
- 「3月登録」を条件に交渉する
- 即決できる準備(書類・予算決定)をしておく
これらを意識して、賢くお得に愛車を手に入れましょう。