GUIDE OUTLINE
このガイドは、「お金・購入計画」 に関する基本的な考え方や、順番を整理するためのメモです。細かい 数字の比較というよりも、「まずここから押さえておくと楽」という 目線で構成しています。
なぜ「車両本体価格」だけで考えると危ないのか
SNSや動画でカッコいいクルマを見ると、つい「月々◯万円ならいけるかも」と考えてしまいますが、ここには大きな落とし穴があります。
・ローンの支払い ・駐車場 ・保険 ・ガソリン ・メンテナンスやトラブル
これらを全部足した「トータルの車コスト」で考えないと「買った後にじわじわ苦しくなる」パターンに陥りやすくなります。
1. 年収別のざっくり安全ライン
ここではあくまで目安として「車関連の年間コストは手取り年収の10〜15%以内」を一つの基準とします。
年収400万円前後
・手取り:約300万円と仮定 ・10%:30万円/年、15%:45万円/年
→月あたり約2.5〜4万円が「車に使っても家計が大きく崩れにくいレンジ」です。
年収600万円前後
・手取り:約450万円 ・10%:45万円/年、15%:67.5万円/年
→月あたり約4〜5.5万円。輸入セダンやSUVを視野に入れやすいゾーンです。
年収800万円以上
・手取り:約550〜600万円 ・10%:55〜60万円/年、15%:82.5〜90万円/年
→月あたり約4.5〜7.5万円。クルマを趣味のメインとして楽しみやすいラインです。
2. 「月々いくら」の罠を分解する
たとえば「頭金0・月々4万円」のプランがあったとします。この時に見るべきは
・支払回数(何年ローンか) ・金利(実質年率) ・総支払額(車両本体価格+金利)
の3つです。
同じ月4万円でも
・3年ローン:年48万円×3年=144万円+頭金 ・7年ローン:年48万円×7年=336万円
と、総額は大きく変わります。特に長期ローンは「乗り換えたい時にローンが大きく残る」リスクもセットで付いてきます。
3. ローン+維持費のシミュレーション例
ここでは年収600万円前後の人を例に、月々のシミュレーションをしてみます。
ケースA:月3万円ローン+控えめな維持費
・ローン:3万円 ・駐車場:1万円 ・保険/税金/車検積立:1.5万円(年18万円換算) ・ガソリン・メンテ:1.5万円
→合計:月7万円
このくらいであれば「趣味としてかなりクルマに振っているが、他の趣味もまだ楽しめる」バランス感です。
ケースB:月5万円ローン+輸入車の維持費
・ローン:5万円 ・駐車場:1万円 ・保険/税金/車検積立:2万円 ・ガソリン・メンテ・予備費:2万円
→合計:月10万円
年120万円をクルマに使うことになります。車好きにはたまらない世界ですが「他の趣味や将来の貯蓄をどこまで削るか」を冷静に考える必要が出てきます。
4. 予算を決める時の3つのステップ
1) 今の支出を一度棚卸しする
・家賃/住宅ローン ・食費・光熱費 ・通信費・サブスク ・他のローン(スマホ・家電・教育ローン等)
ここを一度書き出して「毎月いくらまでクルマに回せるか」を数字で把握します。
2) 「理想」と「現実」の2パターンを作る
・理想:本当はこのくらいの車に乗りたい ・現実:家計を崩さずに出せるライン
両方のパターンでシミュレーションしてみると「今は現実ラインで、次の車検までに理想ラインへ近づける」というように長期戦で考えやすくなります。
3) 車種選びは予算の中でやる
・予算の枠をはみ出す車は一度候補から外す ・同じ予算で「年式を下げる」「距離を伸ばす」などの調整で輸入車を狙うのか、国産の新しめにするのかを比較
「この車に乗りたいから無理をする」のではなく「この予算の中でベストな1台を選ぶ」という考え方に切り替えると、後悔はかなり減ります。
5. まとめ:車は人生の調味料。主役の座を奪わせない
クルマは生活を豊かにしてくれる最高の趣味ですが、家計の主役になってしまうと一気に苦しくなります。
・手取り年収に対するクルマ予算の割合を意識する ・ローン+維持費のトータルで考える ・「気持ちよく払えるライン」の中で車種を選ぶ
この3つを抑えておけば「クルマのために生きる」のではなく「クルマと一緒に人生を楽しむ」バランスを取りやすくなります。