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輸入車の維持費はいくら?国産との違いと現実的な年間予算ライン

14 分で読めますPUBLISHED 2025/12/07
#輸入車#維持費#お金の話#初心者向け

「輸入車は維持費が高い」と言われる理由を、固定費と変動費に分けて整理しながら解説します。税金・保険・車検・タイヤ・ブレーキ・故障修理まで、国産との違いと現実的な年間予算の目安をまとめたガイドです。

GUIDE OUTLINE

このガイドは、「お金・購入計画」 に関する基本的な考え方や、順番を整理するためのメモです。細かい 数字の比較というよりも、「まずここから押さえておくと楽」という 目線で構成しています。

この記事で分かること

輸入車の維持費が「どこで」国産車と違うのか ・年間いくら見ておけば、無理なく付き合えるのか ・中古の輸入車を買う前に最低限チェックしておきたいポイント

「輸入車は維持費が高い」「壊れたら一撃が重い」とよく言われます。ただ、実際に数字で分解してみると、すべてが特別高いわけではなく「効くところだけじわっと効いてくる」というのが実情です。

ここではCクラスや3シリーズ、5シリーズ、A4などの「少し良い輸入セダン/ワゴン」をイメージしながら、国産との違いと現実的な予算感を整理します。

1. 維持費は「固定費」と「変動費」で考える

まずは年間のコストをシンプルに分解します。

・固定費:ほぼ必ず毎年発生するもの ・自動車税 ・自賠責保険 ・任意保険 ・車検基本料金 ・変動費:乗り方や車種によって大きく変わるもの ・ガソリン代 ・オイル・タイヤ・ブレーキなどの消耗品 ・予期せぬ故障修理

国産と輸入車の差が大きく出るのは主に「変動費」です。特に次の2点が効いてきます。

・消耗品や部品そのものの単価 ・ディーラー整備にかかる工賃(工数単価)

2. 固定費は国産とそこまで変わらない

自動車税・自賠責

・自動車税は排気量ベースなので、同じ2.0Lクラスなら国産も輸入車もほぼ同じ ・自賠責保険は法定の強制保険なので、車種による差はほぼない

「輸入車だから税金だけで破産する」ということは基本的にありません。

任意保険

差が出やすいのはここです。

・車両保険をフルに掛けると、車両価格が高い輸入車ほど保険料が上がりやすい ・逆に車両保険を外したり、免責金額を工夫することで調整も可能

「輸入車だから」ではなく「いくらの車にどこまで保険を掛けるか」で金額が変わるイメージです。

車検基本料金

・ディーラー車検は国産よりやや高めのことが多い ・輸入車に慣れた認証工場や専門店なら、国産と極端には変わらないケースもある

見積もりをディーラーと専門店で一度取り比べてみるだけでも、年間の固定費が変わります。

3. 差が出るのは「タイヤ・ブレーキ・故障修理」

タイヤ代

輸入車はホイールサイズが大きく、扁平率の低いタイヤを履いていることが多いです。

・国産コンパクト:4本交換で4〜8万円程度 ・Dセグ輸入セダン(18〜19インチ):4本交換で10〜20万円程度

3〜4年に1回とはいえ、交換タイミングで大きな差になりやすいポイントです。

ブレーキ周り

・輸入車の純正ブレーキパッド+ローターは単価が高め ・減りが速い車種もあり、前後まとめて交換すると20〜30万円クラスになることも

社外品で抑える選択肢もありますが、鳴きやダスト量とのトレードオフになるため「安ければ良い」とは言いにくい部分です。

電装系・センサー類の故障

輸入車でよく話題に上がるのがここです。

・O2センサー、エアマス、各種ユニット ・ウインドウレギュレーターやドアロックアクチュエーター

1箇所あたりの部品代+工賃が5〜15万円になるケースも珍しくなく「年に1回なにかしら出る」と仮定して予備費を取っておくと、精神的にかなり楽になります。

4. パターン別・ざっくり年間予算の目安

ここではあくまで目安として、走行距離1万km/年、3〜7年落ちの中古輸入車を想定します。

A:コンパクト輸入車(Aクラス・1シリーズ・MINI等)

・固定費(税金+保険+車検積立):15〜20万円/年 ・消耗品(オイル・タイヤ・ブレーキ):10〜15万円/年 ・トラブル予備費:5〜10万円/年

→合計目安:年間30〜45万円

B:C/Dセグ輸入セダン・ワゴン(3シリーズ・Cクラス・A4・5シリーズ等)

・固定費:20〜25万円/年 ・消耗品:15〜25万円/年 ・トラブル予備費:10〜20万円/年

→合計目安:年間45〜70万円

C:大型SUV・ハイパフォーマンスモデル

・固定費:25〜30万円/年 ・消耗品:25〜40万円/年 ・トラブル予備費:20万円以上/年

→合計目安:年間70〜90万円以上

このゾーンは「趣味として割り切って楽しめるか」が重要になります。

5. 年収とのバランスをどう考えるか

ざっくりの目安として「クルマ関連コストは手取り年収の10〜15%以内」に収まると、生活への圧迫感が少ないと言われます。

・年収400万円前後(手取り約300万円) ・10%:30万円/年、15%:45万円/年 ・コンパクト輸入車〜控えめなDセグでギリギリ現実的なライン

・年収600〜700万円前後(手取り約450〜500万円) ・10%:45〜50万円/年、15%:70〜75万円/年 ・C/Dセグ輸入セダンを「趣味の固定費」として飲み込みやすいゾーン

・年収800万円以上 ・Dセグ上位グレードや一部SUVでも、心理的余裕を持ちやすい

大事なのは「限界値」ではなく「ここまでなら気持ちよく払える」というラインを自分なりに決めておくことです。

6. 無理なく輸入車を楽しむための3つの工夫

1) 年間予算を先に決める

・ローン+維持費の合計が手取り月収の何割までか ・年間のトラブル予備費として10〜20万円を別口座に置いておく

数字で天井を決めておくと、車選びの時点で「届く範囲」がはっきりします。

2) ディーラー/専門店/街の工場を使い分ける

・保証期間中のリコールや制御系はディーラー ・消耗品や定番トラブルは輸入車に慣れた専門店 ・簡単なオイル交換などは価格重視の工場

項目ごとに使い分けるだけで、トータルコストがかなり変わります。

3) 車種ごとの「持病」を事前に調べる

・よく壊れる部位とおおよその金額 ・何万km/何年目あたりで出やすいか

ここを把握しておくだけで「まったく想定していなかった一撃」をかなり減らせます。

7. まとめ:怖さではなく準備でコントロールする

輸入車の維持費は、国産より一段高くなりやすいのは事実です。ただしそれは「何も知らずに飛び込んだ場合」の話でもあります。

・固定費は国産と極端には変わらない ・差が出るのはタイヤ/ブレーキ/電装系トラブル ・年間30〜70万円レンジで、自分に合うラインを決める

この3点を押さえて準備しておけば、「知ったうえで選ぶ輸入車」は日常を少し豊かにしてくれる相棒になってくれます。

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